お座敷すだれの掛け金具(長押)
聞きなれない言葉かもしれないけど「長押」と書いて「なげし」という。
これ、必要のない人にとっては全く不必要な部品ね。
逆にいうと、必要な人にとってはなくてはならない部品。
何に使うのかと言えば、座敷すだれを掛けるための金具。
え~釘でいいんじゃないの?と思う人はまずいない。
お座敷すだれの金具はその優美さを引き出す大切な一部分だから。
どんなに良いすだれでも、釘で留めてしまうと台無しなんだよ。
そんなことない!と思うなら、比較してみるとよくわかる。
店長の言っていることは、間違っていないはず。
ただし、ここからが問題。
何が問題かというと、多くの人はこの「宣徳自在長長押」を使いたがる。
見ればわかることだけど、格好が良い。
だから使いたい、これにしたいと思う。
ところが、今の住宅、現代住宅には「鴨居」がないことが多い。
鴨居って何よ?どこの部分よ?という話はよく聞く。
鴨居っていうのは和室の周囲にある。
あるよ、何か飛びていている・・・これじゃない。
麩の上を見てみて。
2センチぐらいの木枠のことじゃないよ。
それは洋間でもあるような木枠だから、和室の鴨居のことじゃない。
「鴨居を横から見たところ」に注目して欲しいんだけど、これが一般的な鴨居の構造。
切れ目が入っているよね。
普段は上からしか見えないし、そんなところに切れ目が入っているのは意味がわからないと思う。
これは鴨居を知っている大工なら一目瞭然の仕様でね、引掛けられるように作るんだ。
目的はいろいろ、額縁もあれば、すだれもある、他にも使い勝手がボーンと良くなるから、和室を作るときには欠かせない。
そして麩の上に3センチぐらい上がってから板なり木なりが出っ歯てくる。
この出っ張りこそが鴨居。
ここに上下から噛ませるように留めるのが、このお座敷すだれ専用の金具ってわけさ。
一段落ち込んでいるのはわかると思うけど、そこの凹みのところ(高さ3センチぐらい)に簾の丸カンを掛けると前に出てこない。
なんというか、鴨居を見れば一発なんだけど、ここの和室にはすだれを掛けなさいよっていうシグナルがわかると思う。
この金具には2種類あって、色が違う。
いぶし銀のものは、主に仏間で使うことが多い。
渋いんです、ものすごく渋い、いぶし銀の魅力という言葉があるけど、その通り。
画像の金具の方はどこでも使う。
これを使いたいために鴨居を作ったという人もいるんだよね。
ビンビンと良さが引き出されるけど、鴨居がないと別の金具になります。
お座敷すだれの掛け金具
https://store.shopping.yahoo.co.jp/omakase-factory/zashikikanagu001.html
興味のある方は是非ご覧ください。