締め付けの加減が職人技 経験が必要になるから自作は難しい
なんでも作ってやろうという向上心、好奇心旺盛の人も世の中には多くて、いろいろなものを自作しては生活を楽しんでいるよね、作ったものを人に見せたりあげたりしてさ、手先が器用で道具などもある程度持っていないとできない趣味です。
木製品だと金属加工や金型成形などに比べると設備もそれほど必要としないし、場所も自宅の6畳間の片隅でもできるかもしれないから、チャレンジしてみるとも楽しいと思います、道具はいろいろ必要になる、一回しか使わない道具でも用意をしないといけないかもしれない。
ところで、桶というものはいろいろな作り方があって、今では接着をして作るものはほとんどなんだけど、締め付けて作るものもあります、これは本式ね。
周囲に輪状に巻いてあるもののことを「タガ」と言うんだけど、感じで書くと「箍」「𥶡」となってまず読めません、見かけることもありません・・・よね。
このタガを締め付けて板と板を留めていくわけ。
締め付け方にも大きく2種類あってさ、ねじるように締め付けていって最後に締め付けた突起部分を切断して折り曲げるものと、輪状にしたものを叩き込んで締め付けていく方法だね。
後者の叩いて締め付けていくほうが職人の感を必要とするから、今、こういうものを作れる人が激減中です、昔は桶屋というものが町にあったはずなんだけどね。
輪状のタガを叩いて締め付けていくから周囲にはえぐり込みができます。
円周より若干短いタガを打ちながら締めていくから、木部をえぐりながら周囲全体を締め付けていく、エグるからその部分には傷のような跡が残るけどこれは手作業の証みたいなもんです。
この締め付けが強すぎてはいけないし、弱すぎてもいけない。
その度合がとても難しい。
木製桶を使った人も少なくなってきて、こういう手作り桶の使い方を知らない人たちも増えてきて、でも地鎮祭などではこういう本物を使うわけです。
濡らしてから使う・・・・これ基本中の基本。
濡らして木部を膨張させて木と木が膨れて、でもタガで押さえつけられてしっかり隙間が塞がれるという仕組み。
だから、タガの締め付けが強すぎれば膨れた木の力の逃げ場がなくなって歪になり、弱すぎれば水漏れの原因になる、ここがとても経験を必要とする部分、言葉じゃ書けない伝わらない、何度も何度も作っていくと体で覚える部分です。
ちょいちょい使うなら気にしないけど、カラカラに乾燥した状態のときにはまずは濡らして湿らせてということをしてから使ってください、実際のところ初めて手にする人も多いんだよね。
タガだって単に接着して飾り物のような状態のものも多いし、職人が少なくなってしまったらから手抜きをした製品が目立つ時代になってしまったのかな。
本物志向の地鎮祭用具シリーズ 半桶
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興味のある方は是非ご覧ください。